ナノ空間を反応場・デバイスとして活用する物質科学国際研究拠点の構築 | 頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム

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研究内容

本事業実施主体グループは、これまで合成反応に立脚したCO2挿入反応、CO2を固定化させるための有機金属錯体と触媒サイクルへの展開、光化学・電気化学的手法によるCO2還元反応や錯体化学を基盤とする光機能性材料の開発を行ってきました。また、ナノサイズ制御によるカーボンナノ多孔材料を利用したリチウムイオン電池や電極触媒特性を保持する高感度センサの開発に取り組んでいます。これらの業績は国際的に高く評価され、審査付き国際論文として多数引用されています。

本研究では、ナノ空間を、高効率合成反応を促進するための反応場として利用したり、蓄電またはガス検出用デバイスとして利用し、エネルギー・環境イノベーションの実現に向けた技術開発を目指していきます。反応場として、光捕集機能を備えた配位性空間に着目しています。配位子パーツと金属イオンの組み合わせから構成された光機能錯体をナノ空間内に担持させ、配位性空間を光反応フラスコとして活用します。更に、光応答型多電子還元により、CO2の完全還元による有用物質変換や反応性に乏しいアルカン類の直截的分子変換を検討しています。不活性分子を効率良く炭素資源として利用する新規合成反応を開発すると共に、太陽光による効率的な光変換反応の開拓を目指しています。

また、ナノ空間を蓄電キャパシタや高感度ガスセンサとして活用しています。高出力・高容量が期待されるカーボン複合ナノ多孔材料による充放電機能の開拓や、ナノ界面構造制御を利用したガス吸着センサを開発しています。以上のように、ナノ空間を精密合成のための反応場として利用するだけでなく、電子貯蔵や資源ガス捕集用デバイスとして検証していく手法は非常に珍しい研究になります。

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